日向高鍋藩主の秋月種美、黒田長貞の娘の春姫の次男として生まれました。母方の祖母が米沢藩第4代藩主、上杉綱憲の娘だったことが縁で、米沢藩第8代藩主、上杉重定の養子となりました。前藩主の重定の時代には藩の財政は破たん寸前でしたが、質素倹約のうえ、さまざまな産業をおこして米沢藩の財政を立て直すとともに、天明の大飢饉では、東北地方において、唯一米沢藩だけ一人の餓死者も出さなかったという善政を敷きました。米沢藩中興の祖として、現在も愛されています。
「最も尊敬した日本人」J・F・ケネディ
アメリカ合衆国元大統領ケネディが、最も尊敬した日本人として上杉鷹山を挙げたと言われています。この話を聞いた記者自体が、鷹山のことを知らなかったとか。真偽が曖昧なエピソードですが、江戸時代の一地方藩主の名をよもや挙げるまいと思っていたからというのもあったでしょうね。内村鑑三が外国にも知られた有名な著書、『代表的日本人』なる本の中で、この上杉鷹山のことが書かれていたからということです。
いずれにせよ、ケネディをして「最も尊敬する日本人」として挙げる人物とは、どのような人物だったのか。非常に興味があります。
「上杉鷹山の経営学」
私自身も、上杉鷹山のことを調べながら(米沢にも一度訪れた事があります)、そのすばらしい理念と改革、優しい人柄の裏に見える改革実行への強い意志と厳しさの姿には共感と感動を覚えます。このあたりの事は、童門冬二氏の『上杉鷹山の経営学
』なる本に詳しいです。
「伝国の辞」
一、国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして我私すべき物にはこれなく候
一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物にはこれなく候
一、国家人民のために立たる君にし君のために立たる国家人民にはこれなく候
鷹山が家督を譲るときに、君主の心得として示したもの。短いですが、名文として今に伝わっています。
「さいごに」
鷹山公の有名な言葉のひとつをご紹介しておきます。
「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 成さぬなりけり」 |